小説の創作をサポートするパソコンと最適なツール、アプリ一覧

小説を書き始める前に

実際に小説を書くには、パソコンあるいはスマートフォン(タブレット)を用いるか、紙の原稿用紙そのものを使うようになります。今の時代、出版したりインターネットで公開したりすることが多くなるため、パソコンで書くことが一般的です。ここでは、代表的なパソコン、そして書く際に便利なツールのほか、アプリ、関係サイトなどがありますので、厳選してご紹介します。

 

小説を書く際のパソコンと各種ツール

パソコン、スマートフォン(タブレット)を使って書くにあたっては、次のような機種があります。また、現在では執筆用の便利なツールも多く開発されています。

パソコン

今の時代、パソコンで使って書く方がほとんどです。タイピングが慣れていれば、作業時間が早められることができます。もちろん、手書きで原稿用紙で書く人もなかにはいますが、概ね4人に3人の割合でノートパソコンを利用していて、ほかにはデスクトップのパソコン、タブレット、スマートフォンが使われています。このうちノートパソコンとスマートフォンは併用されているケースも多くなっています。

パソコンはWindowsとMacBookがありますが、OS(Operating System)上でデバイスの制御やアプリケーションの実行に関わる機能が異なります。すでに、仕事やプライベートを使っているようであれば、慣れている機種を使うのがいいのでそれをそのまま使ってください。執筆用として新調するようであれば、今まで使っていた機種をそのまま新調しましょう。

Windows

メリット

比較的安価でビジネスの多くで使われています。ソフトウエアが豊富で操作自体はしやすくなっています。

デメリット

Macと比較してセキュリティ面に不安があり、不要なソフトが多いのも気になるところです。

MacBook

メリット

シンプルなデザインですので、慣れれば操作がスムーズです。寿命が比較的長く、高性能なスペック(specificationの略語)なのが特長です。

デメリット

相対的に値段が高く、使えるソフトはWindowsに比べて少なくなります。カスタマイズできる領域は狭くなっています。

WindowsとMacBookのスペックの違い

パソコンには製品やサービス、システムなどの性能や仕様、特性を示すスペックが備わっていますが、両者のパソコンで比較をしてみましょう。

OS

ユーザーとハードウェア、あるいは応用ソフトウェアとハードウェアの間を関連付ける役割があります。マイクロソフト社の開発したMicrosoft Windows(マイクロソフト ウィンドウズ)、アップル社のmacOS(マックオーエス)、ChromeOS(クロームオーエス)があります。

OSについてはWindowsでもMacBookでもどちらでも問題なく使用できます。

CPU
Central Processing Unitの略称で、パソコン上のデバイスで演算や制御を行う「中央演算処理装置」です。パソコンの頭脳にあたる部分で、周辺機器やソフトウェアからの指示を処理し、メモリなどを制御したりする役割を担います。
性能に問題なく、おすすめできるCPUは次の7つと言われています。
「Intel Core i5の第11世代以上」、「Intel Core i7の第11世代以上」、「Intel Core i9の全世代」、「Ryzen 5の第五世代(5000番台)以上」、「Ryzen 7の全世代」、「Ryzen 9の全世代」、apple社の全CPU(M1チップ、M2チップなど)
メモリ
データを記憶する装置で実際の作業領域に当たる部分です。小説を執筆する程度ですと、だいたい8GB以上あれば問題はありません。執筆しながら調べものをするために参考サイトや動画を再生する場合は4GBのものよりも、この程度は確保してあるパソコンにします。
ストレージ
パソコン上に搭載されたデータを保存しておくスペースで、HDDとSSDの二種類があります。SSDのほうが値が張りますが、ほとんど毎日パソコンを使用する場合はSSDのほうがよいと言われています。容量は256GBもあれば不足するようなことはありません。
小説を執筆する際は比較的文書ファイルは容量が少なくて済みますので、あまり心配しなくても大丈夫です。もし、容量が不足した場合はインターネット上でデータを保存できるクラウドストレージなどを利用する方法があります。
ディスプレイ
自宅やオフィスでのパソコンのディスプレイはサイズの大きいものを導入していることがありますが、サイズが大きいほど作業容量なども増えます。大きさは16インチ(1インチ=2.54cm)以上のものが見やすくなっています。外出先ではノートパソコンが使いやすいですが、大きいものでなくてカバンに入れて持ち運べる程度の12、13インチほどで十分です。
パソコンの重量
持ち運びのことを考えれば、パソコンの重量は軽いものがいいです。平均的な重さは1kgから1.5kg程度です。なるべく軽量のものを選んでください。
パソコンの値段
安いものでは5万円くらいのものからありますが、値段が高いほど性能はよいのが一般的です。高いものでは数十万円にのぼる機種もあります。
小説を書くためのパソコンであれば、それほど高性能のものでなくても大丈夫です。データの作成とインターネットの閲覧、アプリなどを使用する程度ですから、新規で一般的に問題なく使用できるものは10万円程度からです。

中古パソコンを買うことも一つの方法ですが、もし購入後にトラブルが起こった場合に問題を解決しなければなりません。中古パソコンは意外に劣化していることもあり、トラブルから故障につながることもでてきます。修繕する間は作業も中断することにもなりますので、中古パソコンはあまりおすすめはできません。

中古パソコンの保証期間は新規で購入した場合よりも短かくなっています。保証期間後の故障については修理費用は実費で支払ううことになります。

以上のように様々な性能を持ち合わせているために一長一短です。パソコンの購入を検討している方は、メリット・デメリットを見て性能面、価格面を参照して選定してください。複数の家電量販店などを当たるなどしてコストパフォーマンスのよいものを選ぶことも大切です。初めて使う方は、はじめは慣れないかもしれませんが、できるだけ早く慣れていきたいものです。

 

半蔵
半蔵

自宅の作業ではノートパソコンを使っていて、外出先のCafeなどにもそのノートパソコン持ち運んで使用しています。ほぼ毎日、外出先でも使っていますので、大きさ、重さの面でコンパクトな10万円のMicrosoft Windowsを新規で購入しました。

 

大きさは10インチ、重さ1.5㎏ですが、使用していてあまり目に負担などを感じることもありません。長年、Windowsを使っていたこともあって、操作にも慣れいましたので小説を書くにはとても重宝しています。

 

スマートフォン

OSの違いでは、iphoneのiOS(アイオーエス)とAndroid(アンドロイド)の二種類があり、パソコンと同様にCPU(中央演算処理装置)を備えています。

メリット

パソコンと違って、いつでもどこでも手軽に取り出して書くことができ、電車内で作業したりベットに入って寝ながらでも作業ができる利点があります。

デメリット

画面が狭いうえに、パソコンと比べてすべての機能がスマートフォンモードにより扱いにくい面があります。

パソコン、スマートフォンの両者をお持ちの場合は、パソコンを使うことを原則として、スマートフォンを併用するのがおすすめです。パソコンモードと比較して、スマートフォンは画面の狭さからストーリーの全体の把握がしづらくなりますので、お互いのメリットを活用してパソコンと併用した効率性の高い執筆作業をめざしてみてください。

 

半蔵
半蔵

中・長編を書く際はあえて共有せずに、パソコンだけでじっくりと腰を据えて書くようにしています。短編を書くときにはスマートフォンで外出先などで作業したり、特に書き終わった後の推敲作業がどこでも手軽にできるため、両者の併用をしています。

 

小説執筆ツール・アプリ

現在は小説を書くためのソフトがとても豊富で、ご紹介しきれないほどの種類が存在しています。こだわりのある方はそれぞれの機能をしっかりと見定めて、使いやすく効率性の高い執筆ツールを選定してみてください。
どれがよいのかは、人それぞれになります。初めのうちは、各ツールをダウンロードして機能や使い心地を肌で感じてみてください。ここでは厳選した小説執筆ソフトを次に示します。

Word

個人的にも企業などでも、多様な場面で使われていることが多く、使い慣れている方も大変多いです。縦書き横書きが自由ですし、フォント、行間の設定が可能で原稿用紙の形式を設定し、1枚400字の単位で書くこともできます。単語数、文字数の表示がされますので、一日の執筆量などが簡単に把握できます。小説家でWordを使う方は多いです。

メリット

オフラインで作業ができるのが特徴です。文学賞などの応募や出版での原稿送付、Kindleの電子出版をする際にはそのままWordのデータが使用ができます。

小説で使われる縦書きのフォーマットに対応していて、出版社ではフォーマットとしてWordを使用していることが多くなっていますので、出版を目的にしている場合はWordでの原稿作成が適しています。

デメリット

例えば、文頭に数字1を入力したり見出しを新たに設定すると、以降の数字や見出しが自動設定されて固定されます。しかし、意にそぐわない設定であることもあり、修正するのに手間取るようなわずらわしさがたまに生じることがあります。

また、スマートフォンからの作業がしにくく、他のパソコン、スマートフォンと共有はできません。

Excel

本文をする前のプロットをまとめるのに便利で、使っている方もいます。概ねの場面設定を項目としていくつかの行にわたってまとめ、その右側の行に更に細かな場面設定を連ねていくと、ひとつの物語のプロットを表形式で作成することができます。googleスプレッドシートはインターネット上のWebアプリのひとつで、共同作業やパソコンとスマートフォンで共有して使えることが魅力となっています。

メリット

一つのファイルで複数のタブを作成することができ、図や表の挿入、数式を用いた表計算が容易にできます。

デメリット

Wordと同様にスマートフォンからの編集がしづらく、共有管理ができません。

Googleドキュメント

日頃、G-mailなどのGoogleが提供している機能を頻繁に使用していれば、あらためてログインせずに無料で簡単に始めることができます。何といっても共有機能があるので、複数人での編集も可能なのが利点となっています。共有されているかどうかの確認は共有ボタンにカーソルを合わせて行います。

メリット

シンプルな画面で馴染みやすくて扱いやすくなっています。文字カウントができ、文字装飾、画像や表、リンク先の挿入、フォント、文字サイズの設定が自由です。編集された内容はすぐに保存され、保存した状況は画面上で確認することができます。

共有することによって、例えば、書いた小説を他の人に添削してもらうこともできます。修正した内容を伝えられる提案機能も備わっているため、活用のしかたによってはとても便利です。文字起こしや思いついたことをすぐにメモしたい場合は音声による入力も可能となっています。

デメリット

基本的に縦書きの機能はありません。また、保存容量が15GBまでとなり、その中にはGmailやGoogle社の提供する他のサービスも含まれますので注意してください。日本語のフォントは6種類のみになりますので、幅広い視覚的な表現力には欠けるところがあります。サポートを受ける際に複雑な問題の場合は英語の対応になってしまうことがあります。

Nola

小説家専用の有料(一部無料、300円/月、年払いで2800円)の創作プラットフォームで、物語の構造的な管理が可能です。執筆機能に加えテーマ設定、プロット作成、資料管理が充実しています。使い慣れれば便利なツールとして十分活用ができます。

メリット

プロットの作成から時系列の調整が可能で、登場人物、世界観、相関関係などの設定ができます。タイトルはもちろんのこと、ジャンル、カテゴリ、予定文字数の登録、メモなどができるようになっています。スマートフォンとの共有が可能です。

デメリット

多機能ではありますが、操作が慣れないと使いにくい面も出てきます。無料プランは機能が限定されます。マルチ執筆モード、縦書きプレビュー、共有リンク(3つまで)、原稿の設定、資料テンプレート、フォルダの分割などはできませんのでご注意ください。

idraft

辞書サービスのgoo辞書が開発したテキストエディタアプリです。スタンダードプランは無料ですが機能は限定されます。プレミアムプランは¥480/月(gooストア決済で¥420/月)で有料です。調べものをよくする方に向いています。
メリット
文章中の単語の言い換えが調べられ、校正機能として辞書(国語・漢字・類語・英和・和英・四字熟語)、文字数のカウント、誤字脱字のチェック、同じ言葉のが混在していないかの表記ゆれ、文章が指定された書式で書かれているかの書式チェッカーなどが備わっています。パソコンとスマートフォンで共有できますので、効率的な使用が可能です。
デメリット
goo辞書で調べきれない人名、流行語など用語があるので、他のツールで調べる必要が出てきます。また文字変換によるミスを検知することはできません。

TATEditor

小説等の執筆をするためのテキストエディタで、多様な機能が備わっています。

メリット

横書き、縦書きのどちらでも使用できるほか、ページの表示や執筆に必要なルビ、傍点、上付き・下付き文字、楯組みの文章のなかで横組みの文字が使用できる縦中横の処理が可能です。また、一行中にかっこ書きで二行の表示が可能な割注などの装飾も施せます。

デメリット

共有性や保存する際の可搬性の面が弱く、また、MacBookの場合はダークモードにはできません。

notes

とてもシンプルな小説執筆用のテキストエディタで、執筆した内容はサーバ上に自動保存されます。

メリット

パソコン、スマートフォンでいずれも、共有して続きを書くことができます。文字カウント機能があり、誤って文章を削除してしまった場合でも、手順に沿って復活させることが可能です。その他、ルビ機能、改ページ機能、更新履歴の確認などができ、作品を公開できるようになっています。

デメリット

プロットや資料類を個別に管理する機能は付加されていません。

純粋メモ

ソフトウェアとハードウェア間を関連付けるOS上での標準的なアプリです。

メリット

アイデアを思い付いたときなどに、サッとメモするときには便利です。写真の挿入やテキストのスキャンをすることができて、マーカーの処理を施せます。

デメリット

パソコンとスマートフォンの共有できる機能がなく、形式を整える利便性に欠けるため、小説を単独で執筆するにはあまり適しません。また、文字数のカウントもできません。

 

使いやすかったり、使いにくかったりと感じるのは、ものによってまちまちですし人それぞれですから、ご自身で試用してみてフィットしたツールを選ぶようにしましょう。

半蔵

パソコンで創作するときは、やはり出版者とのやりとりで一番使われていて、使い慣れたワードで書いています。短編を書くときには、最近スマートフォンを使っているのですが、純粋メモからGoogleドキュメントに切り替えをして作業効率が相当アップしました。

 

もちろんパソコンとの共有が簡単にできますし、フォント、文字サイズ、文字装飾などの最低限の処理が可能なのでとても便利です。シンプルで効率がよいためおすすめです。

 

その他の便利なサイトなど

辞書関係

紙ベースの各辞典(国語、英語・和英)、またインターネット上のweblio国語辞典、goo辞書(国語、英和・和英、類語、四字熟語、人名専門用語等)、英辞郎on the WEBweblio英和・和英辞典などがあります。
特に国語辞典でおすすめできるのはgoo辞書で、解説がわかりやすく次に紹介する類語、言い換えなども併せて掲載されているものがあるので同時に活用できます。

類語・言い換え

Weblio類語・言い換え辞典、goo辞書、また検索をすると独自の類語・言い換えの表現に関するブログも多数見受けられ、細かく説明しているので参考になります。また、weblio類語・言い換え辞典は語彙の掲載が豊富で、言葉の選択性には事欠きません。

翻 訳

weblio翻訳(英語、中国語、韓国語対応)、Google翻訳(多言語対応)、DeepL(30か国語対応)、お試しAI 翻訳(多言語対応)、trans-it(1文字6.8円の有料翻訳サイト)などがあります。有料で翻訳するサイトも多くありますが、無料の翻訳サイトで十分対応が可能です。

標準語から方言への変換サイト

地方などを舞台にした物語には、方言を挿し込まなければならないことが生じます。変換サイトで代表的なものは、「BEPPERちゃんねる」(標準語を各地方の方言に変換ができる)のような多機能の変換サイトがとても便利です。

また「方言に翻訳します」(庄内弁、大阪弁、津軽弁、北海弁、岐阜弁)など代表的な方言を複数取り扱ったものも見受けられます。あるいは、ひとつの方言に特化した変換サイト・翻訳アプリ(例:「京都パーフェクトガイド 標準語→京ことば変換」)など、インターネット上で多数見つけることができます。

 

どんなツールを使って小説を書くかは使いやすさばかりではなく、複数のツールを効果的に、そして効率的に組み合わせたハイブリッド型の作業で進めることも作業のはかどり方の大きな要因にもなってきます。

はじめのうちはどのツールを使うのかを頭で考えるよりも、各ツールをダウンロードするサイトの解説を読んで研究したり、実際に体験をするなどして選んでみてください。

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